いくら興味のある内容だとしても、伝え方が良くないと聞いているのが苦痛になりますよね。極端に言えば、わかりづらい伝え方というのは『知らない言語で話されていること』と同じようなものかもしれません。せっかく良い内容の話題を持っていても、それが相手の心に届かないのはもったいないです!
今回はしっかりとわかりやすく伝えるための話し方の5つのポイントを解説していきます。
読んでいただくことで、友人とのコミュニケーションはもちろん、人前で何かを伝えるときに『わかりやすい話し方』ができるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1、誰にでもわかる言葉を使う
馴染みのないカタカナ言葉や専門用語はできるだけ避けて、誰が聞いてもわかりやすい“やさしい言葉”を話すようにしましょう。
たとえば、『主体的な人間の変容のパラダイムは、アウトサイドからインサイドへと向かっていく』と言われても、
『え、え、え、え、えっ、なんて!?え、ちょ、、もう一回言って??』ってなりますよね?
でも、こうやって言い換えるといかがでしょうか?
『自分の内面にあるものを変えることで、外にあるものを良くしていくという考え方があるよ』
この伝え方であれば、先ほどよりもスムーズに理解することができるのではないでしょうか?
人は歳を重ねるほどに自分の専門分野もできてきますし、たくさんの言葉に触れて語彙が豊かになります。
それはとても素敵なことなのですが、誰かと会話をするときには、相手に合わせて『しっかりと伝わる言葉』を選ぶことが大切です。
2、具体的に伝える
たとえば、『健康に気を使いましょう。健康を維持するためには、運動が効果的です。』というメッセージを相手に伝えたいとします。
これだけでももちろん意味は通じますし、悪くはありませんが、
どこか漠然としていて『実際に行動に移してもらえる力強さ』には欠けてしまいます。
本当に『運動することで健康を維持してほしい』という思いがあるならば、
より具体的な表現を添えると、断然伝わりやすくなります。
『健康を維持するためには、やはり運動が効果的ですよね。
毎朝5分、歯磨きの時間にもも上げをするだけでも
身体が温まって良い運動になります。
とてもおすすめなので、よかったらぜひ。』
とするといかがでしょうか?
『運動が効果的』という漠然としたメッセージよりも、
具体的に何をすれば良いのかということがクリアになって、行動に結びつきやすくなるのではないでしょうか。
他にも、数字を意識して伝えるということも大切です。
『収益を上げるために営業をがんばろう!』では今ひとつ伝わりづらくて、
『○月までに○○円の収益を上げることを目標にしよう!』ですと、
具体的な行動へと落とし込むことができます。
伝え方を具体的にすることで、相手のモヤモヤを取り払い、
具体的なアクションへと結びつきやすくなるのです。
3、たとえ話を使ってイメージさせる
別のことに置き換えて話す『たとえ話』は、ものごとをわかりやすく伝えるためにとても大きな効果を発揮します。
相手にとって『興味があること・経験があること』はスムーズに理解できるので、相手の共感が得られるような事に置き換えてたとえることができれば、伝わりやすさが倍増します。
たとえば、新しいことに挑戦して四苦八苦している友人に対し、『慣れないうちは大変だけど、一度やり方を覚えればスムーズになるよ』と伝えたいとします。
このようなケースでよく使われるたとえ話が自転車の運転です。
『自転車の練習を始めたばかりの頃は、走り出しも不安定だし、ペダルの漕ぎ方、ブレーキの押し方、バランスの取り方、すべてに注意を向けてなければ走れなかったよね?
でも乗れるようになった今は、何も考えなくてもスムーズに運転できている。
今回のことも、今は始めたばっかりだからすべてのことに注意を払わないといけなくて必死だけど、やり方さえ覚えてしまえばきっと無意識でも上手にこなせるようになるよ。』
このように伝えるといかがでしょうか?
たとえ話を取り入れることで、相手は具体的にイメージできるので、言いたいことがより伝わりやすくなっていくのです。
一流の人ほど、このたとえ話や比喩表現がとても上手です。
これは、『ものごとを客観的に捉える力』と『相手に合わせた内容に変換できる発想力』を持ち合わせているからだと思います。
ぜひ『これを伝えるのに、良いたとえはないかな?』と意識を向けて、チャレンジしてみてください。
4、相手のテンポに合わせてひとつのテーマで
ひとつの話の中に、2つも3つも用件が入っていたら混乱しますよね?
行動の流れに沿って、Aが終わってからBを、Bが終わってからCを…というかたちで、順を追って説明したほうがよい状況はたくさんあります。
自分が伝えやすい方法ではなく、相手が受け取りやすい方法を考えましょう。
たとえば、一度にたくさんのボールを豪速球で投げたら、よっぽどのキャッチボールの達人でない限り、全部を受け取ることは難しいですが、
相手のテンポに合わせてひとつずつ丁寧にボールを投げると、全部受け取れる可能性が上がります。
会話もこれと同じように、相手が受け取りやすい量を受け取りやすい速度で投げてあげる、という意識が大切です。
しっかりと伝えるためには、相手の立場に立って考えることが必要不可欠です。
- 出発前の忙しい時間帯には、急ぎの用件だけ要点を絞って手短かに話す
- お願い事を話すときには、余裕のあるリラックスタイムに話す
- 愛の告白(!)をするときには、二人きりのロマンチックな空間で打ち明ける
- 相手を褒めるときには、他の人もいる場所でオープンに褒める
など、相手がどうされたら嬉しいかを考えて意識を向けると、伝わりやすく響きやすい話ができるようになります。
5、話を整理して簡潔にまとめる
相手にわかりやすく伝えるためには、話を整理して簡潔にまとめる必要があります。
本のはじめに書かれている目次のようなイメージで、
『これからこんな話をしますよ〜』ということをあらかじめ伝えておくと、相手に伝わりやすいです。
反対に、思いつくままにダラダラと話し始めて、話題があちこちに飛び、最終的に何の話だったのか、
何が言いたかったのかがわからないまま終わってしまう話のパターンは、相手不在の一方通行のコミュニケーションといえます。
基本の型は、以下のとおりです。
- 何についての話題か(例/週末に一緒に遊びに行く計画について)
- 結論(例/動物園に行くのはどうだろうか?)
- 結論に至った過程(例/前に一緒に行きたいと言っていたし、天気予報も晴れだから良いかと思ったんだ)
- 自分の考え(例/でも動物園だとたくさん歩くことになるから、ゆっくりしたいなら他のプランでも良いと思う)
- 相手の意見を聞く(例/動物園に行きたい?それとも他にも希望はあるかな?)
このように順序立てて話すと、とても聞きやすいと思います。
悪い例として特に多いのは、話の主題が知らせずに突然『3.結論に至った過程』や『4.自分の考え』を話し出すケースです。
何についての内容なのかわからない話や、いつ終わるのかわからない話を聞くと、人はストレスを感じます。
シンプルでわかりやすい話し方を目指しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回お話した5つのポイントを押さえるだけで、伝わりやすさが倍増するはずです。
5つのポイントすべてに共通するのが、『相手の立場に立って考える』ということです。
人はいつも自分がどう見られるかに意識を向けがちですが、その気持ちは一旦隅のほうに置いて、
相手のことを考えてあげる優しい気持ちが『わかりやすい伝え方』を作ってくれます。
ぜひ実践してみてください。